山田語録

山田一成

社会とは人間関係だ

社会とは何でしょうか?生活の糧を稼ぐところでしょうか?
「私は社会の一員だから、良い社会人になる。」
それはそうでしょう。ところが「良い」とはどういうことか?「良い社会人」とは何か?と問われると、皆さん答えに詰まってしまいます。
その問いに答えられなかったら、「良い社会人」になるためにどう努力したらよいか?という問いにも答えられません。

「社会とは何か」を知れば、どう生きたらいいかもわかります。
「社会とは何か」を知らなければ、どう立ち振る舞ったらよいかもわからず、会社のルールに則って言われたことをこなすことが仕事なんだと思ってしまいます。
それが社会なのでしょうか?私はそうは思いません。

結局のところ、社会とは人間関係の集合でしかないと思うのです。

それを「社会は生活の場だ」と思ってしまっているから、人間関係を濃厚なものにしよう、助け合おう、信頼関係を本気で築こうとしないようになるのではないかと感じます。

多くの人は結果さえ出せば尊敬されると思って必死に作業をやります。
例えば、セールスマンであれば、物を売るという「作業」を一生懸命やります。
でも、作業を一生懸命こなすだけでは、人の尊敬というものは生まれてきません。
契約を取るという作業をどれだけやっても、心は満たされないのです。
しかし、「社会とは人間関係だ」と知っていれば、おのずと生き方が決まってきます。
すると不思議なことに、その生き方から結果が出てくるのです。

もしセールスマンが「社会とは人間関係だ」と知っていたら、物を売るだけではなく、自分の同僚や部下に対して助け合おう、助けてあげようという思いやりの気持ちが生まれてくると思います。
すると、お互い自然に感謝の気持ちが生まれてきます。
その感謝の気持ちが「この人達と巡り合えて良かった」という、本当の仕事の楽しさを感じさせてくれます。
そして、立場や役職を超えた、うわべの付き合いではない本物の仲間を得ることができるのです。

人の尊敬とは、「作業」+「生き方」に対して生まれてくるのです。
「作業」に「生き方」が加わることで、その人にしかできない本当の意味での「仕事」が完成していくのではないかと思います。

良い仕事をすることは良い人間関係=社会を作り、さらにはその人の人生も良いものにしていくのです。