しばらくすると、お客様の私たちを見る目が変わってきました。
		 
		
		私たちがお客様を訪問するたびに、
		「お客様は今、何で困っているのか?」
		「何をしたら喜んでもらえるのか?」
		といった、お客様の喜ぶことばかりを聞き、
		
		いわゆる「営業マン」がよく言う
		「ノルマがあるので○○を買ってほしい」
		「キャンペーン期間中なので××を買い換えてもらえませんか?」
		というような、自分勝手なセールスを一切しませんでした。
		
		すると、お客様は
		「この人はいったい何の目的でここに来ているんだろう」
		「この人が喜ぶことは何なんだろう」
		と思い始めました。
		
		そして、
		「君は何をやってあげたら嬉しいんだ?」
		と聞いていただけるようになってきました。
		
		そこで、
		「私たちは通信の販売代理店なので、お客様のリースが切れた時に電話機を買ってくれたら嬉しいです。お客様がパソコンを欲しくなった時に声をかけてくれたら嬉しいです。
		でも、それよりも何よりも『何をやってやったら嬉しいんだ?』と聞いてくれたことが嬉しいです。」
		と答えました。
		
		何故ならそれは「お客様が私たちのことを信用して、好きになり始めてくれた」というサインだと感じたからです。
		
		あんなに通信業界の代理店・営業マンのことを嫌っていて、
		「二度とこんなもの買わねぇ」
		「電話機なんか嫌いだ」
		と言っていたお客様が、
		「電話機が欲しいから君のところで買ってやるぞ」
		と言ってくれたということは、
		嫌いなものを買うぐらい、よっぽど私たちのことを好きになってくれたんだな、と思えたからです。
		 
		
		それから、
		「お客様は私たちの喜ぶ顔が好きなんだなって思える瞬間がとても嬉しいです」
		とお客様にお話しすることが多くなりました。
		
		そうやって私たちのファンが増えていくと、自然と会社の売上が上がり、いつのまにか社員の給料までも上がってしまいました。
		
		結局、
		「お客様に喜んでもらいたい」
		「お客様の疲れきった心を優しい心に変えたい」
		と思って頑張ってきた努力は、
		「誰よりも私たちの心が優しくなって、沢山の電話機やコピー機も購入して頂けることになった」
		という私たち自身の幸せにつながっていたのです。
		
		つまり、
		私たちが、他人に認めてもらって、幸せになりたいんだったら
		「相手を幸せにしようとする想い」
		それが一番大切なんだなってことに気づかせてもらいました。
		
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