1988年、ISDN回線が登場しました。ISDNというのはIntegrated Services Digital Networkの略語で、いわゆるデジタル回線です。NTTではINSネット64という商品名で提供されています。これは従来のアナログ回線2本分として使用することができ、アナログ回線を2本使用した場合の基本料金より安く利用することが出来ます。
「電話回線2本が1本で済むので基本料金が安くなります」というのを聞いたことがある方は多いと思います。このサービス自体は大変便利なものなのですが、この基本料金を安くすることが出来るという点を利用して法外な値段で通信機器を販売するという悪徳業者が爆発的に増加しました。ISDNを利用する為には、従来の電話機をデジタル対応の電話機に買い換えるか、もしくはターミナルアダプタ(DSU内臓のもの)を取り付ける必要があるためです。例えば、ターミナルアダプタは市価で20,000円から30,000円程度のものなのですが、これを工事費込みで月額3,000円の7年リースで契約させられたりするのです。3,000円×84回ですから、総額252,000円にもなります。
このように明らかに定価を超えた法外な契約をさせられるケースが、当時は後を絶ちませんでした。しかし、当時はインターネットなどの情報を得る手段がほとんど普及していなかった為、騙されていることにすら気づいていないお客さまがほとんどだったのです。
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