私たちのお客様相談窓口には、毎日たくさんの人がお電話をかけてきてくれます。
ただ、この10年で、お客様のお電話の内容はずいぶん変わってきました。
10年前、この窓口を開設したときには、お客様はみんな怒っていました。
「通信業界はわけが判らない!!何かの確認とか言っていたのに、結局営業じゃないか!」
「じゃあ、やっぱりうちは騙されたのか!!」
そんなお客様に対して、何も出来ないことを悔しく感じることが多かったように思います。
けれども、それは裏返せば、
「それは私たちにはどうしようもない問題だ」とか、「電話ではこれ以上対応しようがない」
「今更そんなことを相談されても・・・。もっとはやく、契約する前に電話してくれればいいのに」といった、あきらめや言い訳でした。
それに気づいたのは、自分自身がいろんな窓口に電話をしたときでした。
ある窓口では、事務的に「その質問はここではお答えできません」と冷たく言われ、
ある窓口では、こちらの聞きたいことがうまく伝えられず、結局問題が解決できない。
「困っているから電話をかけているのに。ここに電話をすれば何とかしてくれるかもしれないと思ったから電話をしたのに・・・」
そう自分自身が思ったときに、初めてお客様の気持ちが心底理解できました。
それからは、「どんな問題でも、最後までお客様といっしょに解決しよう」という思いで、電話にでるようにしてみました。
今までは、「それは、もうどうにもなりませんね」で済ませていたことでも、「まずはお客様の状態を教えていただけませんか?解決できるように、何かいい方法を考えましょう」
その一言で、お客様はとても喜んでくれました。そして、私の名前を覚えてくれました。そんなお客様と出会えて、私も本当にうれしかったのです。
私たちは、ただの問い合わせ窓口ではなく、相談窓口なのです。
電話の向こうにいるお客様も人間で、私たちも人間なのです。
今までは、お客様と私たちは本当の意味では繋がっていなかっただけだったのです。
そして、何年かすると、びっくりするようなことが起き始めました。
今度はいろんなお客様が、「今日こんな電話があったよ。たぶん営業だとおもうからちゃんと断ったけど、教えておこうと思って。他の人からも問い合わせがあるかもしれないよ。教えてあげて」
この一言は、この10年で忘れられない一言でした。
お客様は、電話のむこうの私たちだけでなく、そのまた向こうのお客様のことまで考えてくれたのです。
どうか、困ったことがあったとき、どうしていいかわからないことがあったとき、不安になったとき、何時でも電話してください。
それが、私たちにすぐに解決できる問題かどうかはわかりません。
でも、解決できるまで私たちはお客様と繋がっています。
お客様から1本の電話が、この通信業界を必ずいい業界に変えてくれます。
次の10年がどんな10年になるか、今からとても楽しみです。
楽しみながら、お客様との幸せの輪をどんどん広げていきたい、それが私たちの掲げる10年目の理想です。
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